なんでも口に入れてしまうのをどうやめさせる?
我が家の犬【茶々】は、一歳になったばかり。体は大きいけど、まだまだヤンチャ。人間に例えるなら「見た目は大人、頭脳は子ども!」といったところです。とにかく興味や好奇心が強いので、散歩中はあっちに行ったり、こっちに行ったり。まだ幼いため、初めて目にするものに興味津々になるのは当然です。しかし困ったことに、茶々の場合、道に落ちているものを口に入れてしまうクセがあるんです。葉っぱや枝なら大丈夫だろうと大丈夫だろうと、たかを括っていたのですが、獣医さんには「やめさせましょう」と注意されてしまいました。
この記事では、なんでも口にしてしまうワンちゃんの「誤飲・誤食」についてをまとめています。
犬はなんでも口にしてしまう生き物
犬にとって、見つけたもののにおいを嗅いだり、食べたりするのは自然なことなんです。人間にしてみれば「それは食べたら危ない」とか「そんな気持ち悪いもの食べたらダメ」と感じるものであっても、犬には関係ありません。犬が、ウンチやゴミまで食べてしまうのは、DNAに組み込まれている「本能」なんだそうです。
我が家の茶々は、最近でこそだいぶ上手に散歩できるようになりました。しかし、少し前までは、私が目を離した隙に、誰かが捨てた食べかけだったり、時にはほかのワンちゃんのウンチだったりをムシャムシャ。・・・散々でした。(食べ物をポイ捨てする人や、ウンチを拾わない飼い主は、一体どういう育ち方をしてるのか疑問です)
「本能」なら放っておいても大丈夫?
多くの子犬は、成長するにつれ、なんでも口にする時期から脱していくそうです。もし成犬になっても、なんでも口にしてしまうクセが抜けないようでも、「犬の本能ならしょうがないよね」で済ませても良さそうですよね。
しかし、実際はどうでしょうか。もし、飼っている環境が、大自然に囲まれており、人工物など一切ない無人島であるならば、本能を無理に押さえつける必要はないかもしれません。ですが、大抵の飼い主さんは、街の中で生活を送っているはずです。いくら街が美化されていたとしても、危険なものは絶対に道に落ちていないなんて保証はありません。
もし、危険なものをワンちゃんが食べてしまったら、お腹を壊すだけでは済まないこともあります。冒頭で述べたように、茶々は木の枝なんかも口にします。木の枝は、折れると危険です。飲み込む際に喉を傷つけたり、場合によっては内臓を傷つけてしまったり、重大事故に発展する可能性があるからです。獣医さんが「やめさせましょう」といったのは、こういう危険性があるからなんですね。
拾い食いは犬の本能だとしても、危険がある以上は飼い主によるトレーニングで、やめさせなければなりません。
犬の誤飲・誤食はどうやってやめさせる?
飼っているワンちゃんが、落ちているものをなんでも食べてしまう場合、どのように対策をすれば良いのでしょうか。そもそも拾い食いがクセになっているということは、飼い主さんのいうことを聞いてくれないワンちゃんである可能性が高いですよね。「ダメ」「コラ」といったコマンドが効かない場合、なかなか拾い食いをやめさせることができないはずです。
すぐに実践できそうな「対策」を順番に見ていきましょう。
- 口にしないように見張っておく
- 散歩中に匂いを嗅がせない
- しっかり運動をさせる
- 目一杯匂いを嗅がせてあげる
- しつけをする
- かかりつけ医を見つけておく
- ペット保険に入っておく
1.口にしないように見張っておく
一番簡単な方法です。犬がエサ以外のものを口にしないように、飼い主が目を光らせておけば良いのです。
しかし、当然ながら、24時間365日見張っているのは無理です。それができるのは、セコムやALSOKくらいです。万が一「何がなんでもずっと見張り続ける!」という、鉄の意思があったとしても、その緊張感や気迫が犬にも伝わり、お互いストレスになってしまうでしょう。
2.散歩中ににおいを嗅がせない
散歩中は、拾い食いの危険性が一番高い時間です。犬は、拾い食いをする前に、必ずといっていいほど、においを嗅ぎます。つまり、においを嗅がせなければ、拾い食いはしないはず。もし、犬が何かを見つけてにおいを嗅ごうとしたら、リードを引っ張るのが効果的かもしれません。これならクンクンついでに、パクッとすることもなくなるでしょう。
しかし、犬にとって、「においを嗅ぐ」という行為は、「仕事」と言っても過言ではないほど重要なことです。少し本題から逸れますが、犬が散歩中ににおいを嗅ぐのは、次のような理由があるからといわれています。
犬が散歩中ににおいを嗅ぐ理由
情報収集のため
犬が、散歩中ににおいを嗅ぐのは、その場所を通ったほかの動物の情報を収集するためと考えられています。犬は、その場のにおいに限らず、空気中のにおいなども嗅いでいます。犬の臭覚力は、人間の3,000倍から10,000倍、特定のにおい(脂肪酸などのにおい)では、人間の100万倍以上もあるといわれています。そのため、どんなにおいか、といった単純な情報だけにとどまらず、においの持ち主の年齢や性別、健康状態、体格などの情報まで収集できるようです。
ストレス発散のため
先に述べたように、犬はにおいからさまざまな情報を分析しています。そのためには、相当な集中力と頭を使います。頭を使うことは、犬にとってストレス発散にもなっているそう。そのため、気になるにおいを嗅いでいることを中断されてしまうと、欲求不満になってしまいます。(私は頭を使えば使うほどストレスを感じてしまいますが)
本題に戻りましょう。拾い食いをやめさせるために、においを嗅がせないのは、犬にとって大きなストレスになってしまうことがわかりました。あまり現実的な方法ではないということですね。
3.しっかり運動させる
1と2は、犬の拾い食いをやめさせる方法としては、適していないことがわかりました。ここからは正しい手段をお伝えするので安心してください。
犬にとって、適度な運動はとても大切です。もちろん、犬種や年齢、性格によって、適正な運動量は変わりますが、拾い食い防止のしつけを行うための前段階として、運動をさせることが重要になります。可能であれば、ノーリードで思い切り走り回れるドッグランを、定期的に利用することが望ましいですが、なかなか時間が取れないという飼い主さんも少なくありません。
その場合、毎日の散歩の際、飼い主が早歩きやランニングをすることで、犬を走ることに集中させることができ、落ちているものから注意を逸らせます。ついでに犬だけでなく、飼い主の運動にもなるので一石二鳥です。
4.目一杯匂いを嗅がせてあげる
2と真逆のことをいいますが、目一杯においを嗅がせてあげることも、拾い食い防止のためのしつけにつながります。「しっかり歩き、適度な運動をしたあと」を前提とし、散歩コースの途中の何箇所か、においを思い切り嗅いでも良いポイントを作ってあげます。上述したように、犬にとってにおいを嗅ぐ行為はストレス発散になります。拾い食いをせずに、走ることに集中してくれたご褒美として、目一杯においを嗅がせてあげましょう。
ただし、このときに、危険なものが落ちていないかを、チェックするのを忘れずに。
5.しつけをする
3と4をしっかり行なったら、いよいよ「しつけ」をします。今まで、なんでもかんでも口にしていたワンちゃんの多くは、飼い主さんのいうことを聞いてくれません。そもそも「ダメ!」とか「コラ!」で、拾い食いをやめているなら、この記事に用はないはずです。
おわかりだと思いますが、結局、拾い食いをやめさせるには、「飼い主のいうことを聞く」ようにトレーニングすることが一番なんです。
飼い主のコマンドが通用しないワンちゃんに、いきなり本格的なトレーニングを始めようとすると、犬も飼い主もイライラしてしまいます。
まずは、散歩中に拾い食いをしそうになったら、飼い主と「目を合わせる」ことから教えていきましょう。落ちているものから注意を逸らすことで、拾い食い抑制につなげることができます。
その次は、「止まれ」といったらストップさせてみましょう。これも実際はなかなか難しいはずです。目の前に、興味のある何かが落ちていれば、犬は飼い主に構わず、グイグイ落ちているものに近づこうとするからです。根気よく、何度も繰り返すことが重要です。もし成功したら、ご褒美をあげるか、思い切り褒めてあげましょう。
毎回のお散歩でトレーニングすることで、犬も次第に「ダメ」「コラ」などのコマンドに、従うようになってくるはずです。犬は飼い主に従順で、とても賢い生き物ですからね。
6.かかりつけ医を見つけておく
万が一、危険なものを拾い食いしてしまった場合のことも想定しておくべきです。そのためにも、緊急時のかかりつけ医を見つけておくことも大切です。犬を飼っている人なら、毎年のワクチン接種や、健康診断などで利用している病院があるはずです。しかし、その病院が必ずしも、救急治療に対応しているとは限りません。緊急の際にすぐに駆け込める距離で、24時間対応してくれる動物病院を探しておくようにしましょう。
7.ペット保険に入っておく
犬は人間と言葉を交わすことはできません。犬はとても我慢強い生き物なので、具合が悪かったり、どこかに痛みを感じていたりしても、そんな素振りを見せないことはよくあります。そのため、飼い主が気づいたときには、かなり深刻な状態に発展していた、なんてケースもあり得ます。そのような場合、手術や入院が必要となり、思わぬ出費となってしまうことも。
不測の事態に備え、ペット保険に加入しておくことをおすすめします。最先端医療で、治療を受ける必要がある場合でも安心です。
最近では、多くの会社がペット保険を販売しています。それぞれ受けられる保障や、サービス・特典が異なります。こちらから、無料で資料を一括請求できるので比較検討してみると良いでしょう。
実は病気の可能性もある
犬の拾い食いは、基本的には、大人になるにつれて治っていくものです。また、しつけることで、多くの犬は拾い食いをしなくなります。ですが、それでも治らない場合は、目にするものを、何でも口にして飲み込んでしまう「異食症」の可能性もあります。(異食症については、また別の記事で詳しく解説します)
いずれにしても、ワンちゃんがなんでも口にし、食べてしまうのはやめさせるべきです。人間のせいで、街中には、食べたら危険なものが落ちていることが少なくないからです。茶々と暮らすようになってから気づくようになりましたが、どんなに整備されている町でも、タバコの吸い殻やプラスチック、ガラスの破片など、ところどころに落ちています。そんなものを、もし茶々が食べてしまったらと考えると怖くなります。
犬のしつけはもちろん大切ですが、犬を飼っている人は、道端に何かを捨てるようなことをしないように、意識することも大切ですよね。
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